学習指導要領が改訂って結局何が変わるの?
小学校の教科書は2020年4月から新学習指導要領に基づいて全面改訂されます。
4月からの小学校教科書改訂に関する講演会に参加。
・国語:対話文や図表が多め
・算数:「データの活用」や「割合・比」が多め
・教科書にQRコードが入り、動画を見たり追加練習が可能
・英語が本格的に教科化・単語多め
・身近な問題や世界規模の問題がどの科目でも扱われる(人工知能・SNSなど)— 高嶋@学習指導会 (@gakusyusidoukai) January 22, 2020
・思考力・判断力・表現力の育成
・生きて働く「知識・技能」の習得
・主体性・対話性・協働性の涵養
と言っても、結局何が変わるのでしょうか。
できるだけ具体的にまとめてみます。
まず「量」が増える
1学年当たりの算数の練習問題数で言えば
今まで:580問程度
新しい教科書:750問程度
また、各教科のページ数合計は平均で約14%増えます。
とくに英語は、圧倒される量。
100ページもの教科書を「読み」「書き」し、学校では週2回実施するそうですが、どれだけの子どもがしっかり定着できるのでしょうか?
学校だけの勉強では間に合わないのは明確です。
塾に通わない生徒さんは教科書に合わせたテキストを用意し、「単語や熟語の練習」を丁寧に積み上げていただきたいです。
大きく変わる勉強の「質」
単なる覚えこみの勉強ではなく、現実社会と結び付けた問題が多くなります。
・学校での学習や活動
・地域社会や防災、災害
・人権教育、国際問題(環境・貧富の差など)
普段からどれだけ「なぜなんだろう?」「どうなっているんだろう?」と考える習慣を持つことが大切になります。
そして周りの大人たちはどれだけ、子供の関心を引き出すことができるかが試されます。
科目横断の複合問題も
・数字たっぷりの表やグラフなどの統計資料からわかることを話し合う(国語)
・「菜の花や 月は東に日は西に」の与謝蕪村の俳句。このときの月はどんな形?(理科)
・コンピュータに命令して正三角形を作図する(算数)
情報量が多いので、その中から必要な情報を取り出して内容を把握する練習が必要です。
これは高校の「共通テスト」にもつながる内容になります。
「何となく変わるんだな」「量が増えるんだな」だけの認識では、子どもたちの学習環境の変化に周りの大人が対応できなくなります。
学習指導会では今後も、目まぐるしく変化する学習情報を地域の皆さんに発信していきます!