中3生は定期テストが終わり、まもなく学校で進路相談が行われます。
(学習指導会でも3者面談を実施します)
このタイミングで志望校を最終決定する方がほとんどだと思います。
しかし、「まだ迷っている」という方もいらっしゃるはずです。
そもそも、志望校はどのように決めるべきなのでしょうか。
ギリギリまで迷っていい
将来に大きく関係する「高校生活」をどうするか。
自分の進路を決めている子は、逆算して「そのためにはどの高校が自分にとって良いのか」を考えると思います。
たいせつなことですから、一般受験の方は、出願変更のある1月まで迷っていいと思います。
いずれにせよ重要なのは、安易に決めてしまわないことです。
「この成績なら、入れる高校はここ」
今のタイミングでお子さんの可能性を決めつける必要はありません。
今の成績で行ける高校を選択したとして、それではその高校は、本人がほんとうに行きたい高校なのでしょうか?
3年間通って、お子さんの力を伸ばしてくれる高校でしょうか?
自分の将来につながる勉強ができる高校でしょうか?
ぜひご本人に聞いてあげて欲しいです。
そして迷っている様子なら親や学校の先生、塾の先生に相談するよう伝えてあげてください。
「成績いいから札幌へ」
「地元の高校だと楽勝で入学できるから、やっぱり札幌方面の高校へ行きたい。」
目標を常に「少し上へ」設定することはとても立派なことです。
一方で、札幌の高校へ通う「3年間に費やす通学時間」のことも考えてもらいたいです。
例えば岩見沢から札幌の高校へ通う子はきっと「1日往復で2時間程度」時間がかかるのではないでしょうか。(栗山・由仁・長沼町だと北広島へ通う子もいますよね)
3年間で換算すると、とてつもない時間を「通学」だけに使うことになります。
それだけの時間投資をしてでも通うに値するか、そこまでしてでも「絶対に行きたい高校だ」と思えるか、よく考えてもらいたいです。
もちろん札幌の進学校のほうが「大学進学の実績が良い」という良い面もあります。
その利点と「時間がかかる」欠点を、しっかり天秤にかけて判断してもらいたいです。
「友達と同じ高校に行きたい」
高校生活において、友達との付き合いも大切です。
しかし高校に行く動機が、今の友達が行くからというのは正しい判断でしょうか?
そもそも友達であれば、高校は違ってもしっかりつながりは持てます。
そして高校で新たな友達もでき、子どもたちの見える世界はどんどん広がっていきます。
将来にかかわる大切な決定ですから、子どもたちにはもう少し視野を広く考えてもらいたいです。
「部活を続けたいから」
希望の部活の有無も、子どもたちには大切なことですよね。
高校生活では「勉強」がすべてではありません。
中学で部活を熱心にやってきた子はなおさらだと思います。
ただ、これも「友達」と同じですが、将来にかかわる進路を部活中心で考えてよいものでしょうか。
では、高校の部活を引退したとき、あるいはケガや友人・先輩関係などが原因で部活を途中でやめたとき、その先はどうするのでしょうか。
その部活で習得した技能が、将来の職業や生涯のライフワークにつながるのなら優先順位はなにより高くすべきです。
ただ、大半の子にとって部活は「高校生活を豊かにする1つの要素」でしかないと思います。
あくまで優先度の問題ですが、部活だけで安易に高校選択するのはおすすめできません。
「親や先生が薦めるから」
学習指導会でも、お問合せの際たまに「何が何でもうちの子は●●高校へ行かせたい!」と意欲的なお母さんがいらっしゃいますが、受験するのはあくまでご本人です。
お子さんが進路で悩んでいるときに、いろんな選択肢を示してあげたり、情報を一緒になって集めたり(学校や塾の先生に相談する)などはぜひ積極的にしてあげて欲しいですが、決めるのはご本人です。
ご本人の意思を確認せず「●●高校に行きなさい!」と常日頃から言い聞かせ、ご本人もとくに自分の意思を示さないときは要注意です。
高校生活で何か困難にぶつかったとき、「あぁ、自分はこの高校に来たくて来たんじゃないのに」と考える瞬間がやってきます。
そのときになって初めて、ご本人は「高校にいきたくない」と意思表示しだします。
そうではなく、自分の意思で決めた高校なら、多少の困難でも「自分が決めたことだから」と腹をすえて立ち向かっていく主体性を発揮できると思います。
「べつに高校はどこでもいい」
将来何になりたいかが決まっていない子は、高校選択もイマイチはっきりしないと思います。
実はぼく自身がそうでした。
そんな子にこそ薦めたいのは「とにかく今のうちに目いっぱい勉強をしておくこと」です。
今、将来の夢が決まっていなくても、いざ「将来は●●になる!」と決めた瞬間、いち早くその方向へ舵を切ることができます。
しかも勉強という努力を通して身につけた「思考力」「忍耐力」「知識」もすぐに役に立ちます。
将来につながる「種まき」になるのが、日々の勉強です。
最後に大切なことを書いておきます。
お子さんが迷っていたり悩んでいたりしたら、とにかく話を聞いてあげてほしいです。
男の子だと、なかなかお母さんに「あれもこれも本音で」お話しはしないかもしれませんが、話を聞いてあげる雰囲気をいつも作っていてほしいです。
そのときは親御さんも、学校や塾の先生も結論を一方的に与えるのではなく、一緒になって結論を探してあげる根気強さがたいせつです。
大半の子どもたちにとって、はじめて人生の「選択」をするのが「高校選択」です。
だからこそ、安易に将来を決めるのではなく、大いに悩んで「志望校」を見つけてもらいたいです。
学習指導会では、ご希望の方に対してどの学年の子へも進路相談を実施します。
日時を設定しますので、まずは教室まで気軽にお問合せください。