年をとると、どうしても「最近の若いもんは・・・」と言いたくなりますが、これはエジプトの壁画にも書かれている「年配者の愚痴」だそうで、人類史における永遠のテーマなんでしょうね。
最近の若いもん、というよりは最近の子どもたちのことで少し心配なことが。
ズバリ「男の子」が心配です。
もちろん個人差があることは前提で書きます。
全体として「熱量が小さい」というか「できた喜びが薄い」というか、「自分の勉強に関して他人事」のような印象を受けます。
私たち学習指導会の講師がどうやって「目的意識」を持たせ、「勉強に対する興味」につながるよう努力しても、どんなに「丁寧に指導」しても、イマイチ反応が薄い。
そんな子が昔より増えてきているように感じます。
(もちろん「伝え方」は、私たちの日々の鍛錬が必要です)
女の子は全体としてたくましいというか、現実的というか、早い段階から「コツコツやって」「希望の高校へ」「将来になりたい職業があるので」という子が、男の子より多い印象です。
ずいぶん前から「草食系男子」などと言われていますが、何食でもかまわないので、もっとガツガツした「熱量」をもってもらいたい。
自分で何をやりたいか、どうなりたいか、「うれしい」「くやしい」「次こそは!」・・・そういう「熱」をもって(表情に表して)もらいたいです。
どうしたら子供たち(とくに男の子)の心に火をつけられるか・・・試行錯誤の繰り返しです。
正解のない禅問答かもしれませんが、それでも時代に合わせた「子どもたちの傾向」をある程度つかんで、もちろんそこから外れる子にもじっくり本人の性格を見抜いて働きかけていく。
それらをどれだけ日々丁寧に積み上げていけるかが大切なんですね。
塾でもこれだけ苦労するのですから、ましてやご家庭ではもっと苦労の連続だと思います。
ただ、ご家庭の苦労を承知で、ひとつ提案したいことがあります。
失敗してもいいから、自分で決めさせて自分で責任を持たせる。
できるだけ早い段階で、そんな経験をさせてあげて欲しいです。
とくに「失敗」は、無理に演出する必要はありませんが、それでも「当然できること」ばかりやってきたひとには「失敗」はありえませんよね。
「失敗」は、自分ができること以上のものにチャレンジするひとに欠かせないものです。
「失敗」したら、「原因はどこにあるのか」を考えて、やり方を変えたり新しい方法を見つけたり、そういう過程がその子を鍛えていくのだと思います。
「主体性」は、なるべく早い段階で身につけたい「生きる力」になります。
大人は世の中をよく見ていますから、現実的な「アドバイス」を先回りして私たちは「これが答えだ」と授けてしまいがちです。
でもそうやって他者からもらった「答え」だけでは、いつまでも成長できない。
魚の欲しいひとに、魚を与えてしまうと、いつまでたっても「魚の取り方」は身につきません。
どうやったら釣れるのか、エサは?場所は?天気は?サオは?釣り上げるときのテクニックは?
試行錯誤しながら、必要であれば「こんなときどうするの?」と子どもの方から聞いてくるはずです。
最短距離じゃなくていい、むしろ遠回りしてでも自分の力で「苦労して得た結果」は一生モノになります。
まぁ言うは易しで、僕も子どもたちを見ていてモドカシイときがありますが・・・。
親も僕も、根気が必要ですね。