
新しい紙幣ができるんですね!
といっても2024年(令和5年)からなのでずいぶん先の話。
新紙幣で使われる肖像画、1万円札は渋沢栄一!
福沢諭吉よりはマイナーですが、でもすごい人なんです!
根尾くんも読んでいた「論語とそろばん」
ちなみに著書「論語とそろばん」は僕の愛読書です(しばらく開いていませんが・・・)。
この本、野球のドラフトで注目された根尾選手(中日ドラゴンズ)が高校時代に読んでいたそうです。
僕が30歳の頃はじめて読んだ本なのに・・・。
渋沢栄一は・・・日本資本主義の父と呼ばれています。

「渋沢栄一ミュージアム」HPより
幕末に裕福な農家に生まれ、小さいころから原料の目利きなどで才能を発揮していたそうです。
子ども相手にだまそうとする業者を論破したり、家にやってきた占い師の矛盾を指摘して追い出したり、若いころから論理的にものごとを考える人でした。
一方で尊王攘夷にのめり込む感情的なところもあり、幕府打倒の計画をして失敗。
幕府から目をつけられますが、かくまってくれた人がのちに将軍になる一橋慶喜の家臣だったことから今度は「幕臣」となります。
討幕から幕臣、今度は新政府へ

徳川慶喜さんは渋沢さんの3歳年上
慶喜の弟の随行員としてパリへ滞在。万博や先進文化の視察中、日本では大政奉還が。
日本に帰ってからは新政府の大蔵省で役人をしますが、あまり乗り気ではなかったようです。
「自分でビジネスやりたいんだけど・・・」

大久保利通さんは渋沢さんの10歳年上
実業の世界に進みたかった渋沢を、上司の井上馨が引き留めて一緒にお役所仕事をしていました。
そうこうしていると、大久保利通や大隈重信と対立した井上馨が政府を辞めることに。
「じゃあ自分も」と渋沢もあっさり政府を去り、晴れて実業の世界へ。
500社以上を・・・!!
渋沢が実業にこだわったのは、当時「優秀な人間は役人に」「お金儲けしか考えない人は商売を」のような偏見が社会全体にあったからのようです。
「これではいつまでたっても日本の近代化はできない。」
「自分が実業の世界で必要な会社をばんばん立ち上げて、社会全体を豊かにしたい。」
「倫理道徳とビジネスは両立できることを行動で示したい!」と考えたんですね。
(著書「論語とそろばん」はまさに、「倫理とビジネス」という意味です。)
そして実際にたくさんの会社の設立にかかわります。
現在のみずほ銀行や地方銀行、東京証券取引所、王子製紙や東京海上保険、帝国ホテル、鉄道、紡績、僕の大好きなサッポロビールなどなど・・・なんと500社以上!
設立にかかわっても経営のめどが立てば株を手放し、また別の会社を立ち上げていきました。
実業界で活躍の一方で
社会活動にも熱心で、日本赤十字社の設立にかかわったり、アメリカで日本人差別が広がる時代に何とか日米の懸け橋になりたいと何度も渡米し講演したり・・・なんとノーベル平和賞の候補にも選ばれたんだそうです!
財閥がガンガン利益を上げていく中、渋沢は「企業の社会的責任」が大切であり個人的利益よりも社会全体の利益を優先させるべきという立場をとりました。

福沢諭吉さんは渋沢さんの5歳年下
そんな渋沢栄一が一万円札の肖像画に。
5年後は今よりずっと、お金も電子化されているでしょうが・・・気長に待ちましょう!
(敬称略)