明治時代にベストセラーとなった「学問ノススメ」。
福沢諭吉の名著ですが、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の書き出しが有名です。
しかしその後の文には「賢い人とそうでない人、お金持ちとそうでない人、身分の高い人とそうでない人がいるのが現実だよね。それって何の違い?勉強したかどうかの違いだよ。(意訳)」と続いています。
職業に優劣はないものの、現実は「短時間で高いお給料をもらえる職業」と「長時間でも少ない給料の職業」があったりします。
仕事によって付加価値が違えば、所得にも違いが出ます。そしてどちらの職業にどのようなタイプの人が就いていくのか。
「学歴=学業をどれだけ頑張ったか」に関係がある、というのが現実ではないでしょうか。
もちろん、勉強がすべて・お金が何より重要というわけではなりませんし、趣味や社会活動をライフワークにしている人もいます。
しかし大半の人にとって、人生を豊かにするには「自由な時間」と「健康」、そして「お金」は欠かせません。
必ずしも「勉強すれば高所得の職業につける」わけではありませんが、その可能性がグッと高くなります。
また「勉強しなくても高所得の職業につける」場合もありますが、それは例外中の例外です(勉強するよりも一般化できない「才能」が必要ですよね)。
可能性の問題ではありますが、このような現実は社会との接点が少ない子どもにはわかりにくいものです。
だからこそ現実を知る親御さんが、勉強の重要性を認知しお子さんにできるだけの動機付け・必要な環境を整えてあげてほしいと思います。
ちなみに海外の研究になりますが、「子どもの学力向上を決める一番の要因は?」と調べたところ、「学習環境」「教材」「教師の質」よりも「学業によって所得の違いが出る、という事実を親が知っていること」が上位の要因なんだそうです。
難しいことではありますが「学びの価値を知る」親が、自然と子どもに「学びの環境」を与えるのかもしれません。