「勉強に使うからスマホが欲しい」と言われたけれど…
保護者の方との面談で、よくこんなお話を伺います。
「勉強にも使えるからスマホが欲しいと言われて買ってあげたけど、気づけばゲーム・LINE・YouTubeばかり…」
こうしたケース、実は珍しくありません。
たしかにスマホには、辞書や学習アプリ、調べものといった“便利な使い方”もあります。ですが、実際にお子さんが何に使っているかといえば、多くは「娯楽中心」になってしまっているのが現実です。
ルールを決めたはずなのに、なぜ守られない?
スマホを買い与える際には、多くのご家庭でルールを設けているはずです。
「1日1時間まで」
「夜8時以降は使わない」
しかし、実際にはどうでしょうか?
いつの間にか、ルールは形骸化し、スマホが無制限に使われるようになっていませんか?
スマホが大切な時間を“静かに奪っている”ことに、ぜひ気づいてください。
勉強中にスマホ? それ、集中できていません
たとえば、こんな様子が見られるなら注意が必要です。
勉強中、スマホを机の上に置いたまま、LINEの通知を待っている
「息抜きだから」と言いながら、何時間もYouTubeに没頭している
この状態で学習の質が上がるはずがありません。
「やってるつもり」でも、実際にはほとんど集中できていないのです。
すでにルールが機能していないなら、少しずつでも改善を
もし現時点で、スマホが無制限に使われている状況なら、いきなりの厳しい制限は難しいかもしれません。
そんなときは、以下のように“少しずつ”見直していきましょう。
「1日●時間まで」など、現状よりも少し短く設定する
使用時間をアプリで可視化して、親子でチェックする
スマホは「リビングのみ使用可」にしてみる
ルールを“再定義”することで、改善の糸口が見えてくるはずです。
これからスマホを買うなら、最初の約束がすべて
これからスマホを持たせようと考えているご家庭には、次の点を強くおすすめします。
「約束を守れるなら買う」という姿勢を明確に伝える
「守れなかった場合は没収」というルールも併せて設ける
口約束ではなく「家族間の契約」として紙に書いておく
最初にどこまで“線引き”できるかが、その後を大きく左右します。
スマホは本当に「勉強のため」?
「勉強に使うから」という理由でスマホを欲しがる子も多いですが、それはあくまで“建前”であるケースがほとんどです。
私個人としては、「中学生にスマホは不要」と考えています。なぜなら、利便性以上に“誘惑”や“リスク”が大きすぎるからです。
もちろんご家庭によって考え方は違うと思いますし、それぞれの方針があって良いと思います。ただし、どんな考え方であっても、「無制限でOK」という選択肢だけは避けていただきたいのです。
最後に:スマホから子どもを守れるのは親だけ
いっそのこと、「スマホはリビングでのみ使用可」など、場所の制限を設けてみるのも一つの手です。
子ども自身が、スマホの使い方を自制するのは難しいものです。だからこそ、それを管理できるのは 親御さんだけ です。
「見守る」ではなく、「守る」。
スマホと子どもの距離感を、いま一度見直してみませんか?