「宿題やったけど家に忘れてきた」
宿題をやらない子の「必殺技」ともいうべき言い訳です。
ほんとうにやったのかもしれませんが、これでは私たち塾の先生は「家で何がわからなかったか」の確認ができません。
結局、塾で同じ問題を解いてもらうことになります。
すると時間が足りなく、本来やるべき教室メニュー(追加演習や単元テスト)が終わらず、定着のための練習量が少ないままとなってしまいます。
(状況によっては、次回授業時までの追加宿題にします)
そこで宿題の重要性について考えてみましょう。
「そもそもなんで宿題って出されるの?」
岩見沢指導会の宿題は、「全部が解けていないとダメ」ではありません。
反転学習(学校の予習単元)で宿題が出ている生徒さんは、その単元を「教科書読み」「テキストの単元まとめページを読む」ことで、自力でできる範囲でテキストをやってきてもらいます。
私はその宿題答案ノートを見て、「どこまで自分の力で理解できているか」「どこから解説が必要なのか」を判断し、一人一人の授業を組み立てる、これが宿題の目的の1つめです。
2つめは、生徒自身が「何がわからなかったのか」を家ではっきりさせ、それを教室でできるようにしよう、質問しようという目的意識をもって授業を受けてもらうことです。
なんとなく教室に来て「その日何の勉強をするのかな~」と漠然と授業を受けるよりも、ずっと効果的です。
「宿題やってないから別の日に授業を変更したい」
たまにこんな欠席連絡をもらいます。
中には親御さんから「別の日にしてもらいなさい」と薦められて電話をかけてくる子も。
たしかに「宿題が終わっていないまま」教室に行くよりも、別の日に振替授業を決めて、その日までにしっかり宿題を終わらせて行ったほうが勉強は効果的です。
ただ、本当にそれがお子さんのためになるのでしょうか。
一度、このような対応をとってしまうと、今後も「期日までに宿題が終わらなくても、変更してもらえるからいいや。」となりますよね。
人間は私も含めて弱いものです。
楽な道があれば、楽なほうへ、楽なほうへと道を選んでしまいがち。
その「楽な道」を周りの大人が用意してはいけないと思うんです。
それではいつまでも親御さんが「楽な道」を用意し続けなければなりません。
社会に出れば、「人との約束」無しに生きてはいけません。
陸の孤島で一人で生きるならまだしも、そうではなく僕らは人とのかかわりの中で生きています。
塾の宿題は、いわば「教室長との約束」です。
期日までにしっかり時間をコントロールして、予定を立てて宿題を終わらせる習慣は必ず必要です。
仕事をするようになれば「納期」はゼッタイです。
医療現場では「時間まで」に終えないと、患者さんに深刻な影響が出ます。
子どもたちにそこまでの責任を持てとはいいませんが、期日までに宿題をすることを通じて責任感も持ってもらいたいんです。
雨が降ろうが槍が降ろうが、熱が出ようが骨折しようが、宿題はしっかり終わらせて(繰り返しますが、全問正解でやってくることが目的ではありません。)教室に持ってきましょうね!
「でも宿題終わらない日もあるよ・・・」
どうしても宿題が間に合わなかったという場合は、その理由をしっかり先生に伝えてくださいね。
「言い訳」になってもいいです。
自分の考えを「自分の言葉」でしっかり伝える力もたいせつです。
親御さんは「宿題終わっていない」とお子さんが言っても、塾を休ませるのではなくて毅然とした態度で「先生にしっかり理由を伝えなさい」と見送ってあげてください。