子どもの「読む力」を育てる3ステップ

岩見沢指導会に入塾したての子どもたちを見ていて、最近感じるのは「読む力不足」です。

「5字で書き抜きの問題」なのに答案が5字になってなかったり、「国名」を聞かれているのに「人物名」を答えたり・・・「文章読解力」というよりももっと初歩的な、「何が書いてあるか分かる力」です。

回答欄を埋められる子はまだよいのですが、なかにはテスト答案が「空欄ばかり」の子も・・・。

教科書を読む力が足りてないと、すべての科目に影響します。

そこで今回は、中学生の「読む力」をどう伸ばすかについて考えてみたいと思います。

「テスト勉強がんばる」は危険

各学校では定期テスト前や夏休み・冬休みの前に、生徒さん自身に成績・目標得点や家庭学習・テスト勉強の行動目標を記入させることが多いです。

成績の目標から逆算し、今回の定期テストでは何点とる必要があるか。

そのためにはどういった行動が必要かを、生徒さん自身が考えることになります。

できるだけ行動を具体的に、「何を使って」「どういう勉強をするか」と書きたいところです。

しかし「前回よりがんばる」「単語の暗記がんばる」など、漠然とした内容を書いてしまう子がいます。

「がんばる」としか書けない子は、自分はどのような行動が必要なのかがボヤけています。

これでは行動に結びつかず、計画倒れに終わってしまいます。

自分がどうしたいのかがボヤけている子は、自分の考えていることを丁寧に「言語化」する訓練が必要です。

言語化の力が不足している子は、もっと前にさかのぼって練習する必要があります。

  1. 好きな分野でインプット(見る・聞く)
  2. 会話でアウトプット(話す・伝える)
  3. 記述でアウトプット(書く)

このような手順で鍛えてはどうでしょうか。

好きなことをやらせた後が重要

好きなことなら、周りが何を言おうと集中してやり続けますよね。

自分の考えが言語化できない子は、まずは「好きなこと」を通して情報のインプットが必要です。

「見る・聞く」を通して興味のある分野の情報に、どんどん触れてもらいたいです。

そのとき「どういう気持ちになったのか」、それを今度は「話し言葉を使ってアウトプット(話す・伝える)」してもらいましょう。

食事中や食後のできるだけリラックスしているときに、お子さんからじっくり聞いてあげてください。

話題はスマホゲームでもオンラインゲームでも、you tube でも音楽でも、スポーツでもアニメでも何でもいいと思います。

コミュニケーションを通してお子さんが「どう考えているか」を、単に「面白かった」で終わらせるのではなく具体的に「どう面白いのか」を引き出しましょう。

このとき、大人も本気で興味をもって聞く必要があります。

周りの大人たちが、面白いこと・新しいことへのアンテナが敏感でないとうまくいきません。

自分の気持ちを話し言葉で伝えられる子は、書き言葉で伝えることも自然とできるようになります。

読む力は「読書」以前に「会話」で身につける

国語の力を伸ばすというと、よく「とにかく本を読め」となりがちです。

しかし、その前にまずご家庭でも「話し言葉でコミュニケーション」をとり、子どもたちには自分の考え・気持ちを言葉を使って伝える(アウトプットする)場数を踏んでもらいたいです。

会話は当然、双方向です。

日本のアニメに興味をもった外国人が、同じアニメ好きと交流をとることでメキメキ日本語が上達し、日本語でコミュニケーションがとれるようになったという話はよく聞きます。

楽しい、興味のある会話を通してまずは「聞く・話す」から。

それによって「読む力」の土台がつくれるのではないでしょうか。

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