中学生のお子さんが「なかなか勉強しない」「やる気が続かない」「成績を上げたいけど方法がわからない」…。保護者の方からこうしたご相談をよくいただきます。
塾や通信教育、参考書など、学習方法はたくさんあります。でも、どんな方法を選ぶにせよ、その前に大切なのが「目的」と「目標設定」です。
なぜ勉強するのか?を一緒に考える
旅行を計画するとき、まず決めるのは「行き先」です。行き先が決まっていなければ、どんな乗り物に乗ればいいか、どのルートを選べばいいかも決まりません。
勉強も同じです。「どこを目指すのか」がはっきりしていないと、子どもは具体的な行動を起こしづらくなります。
「どうなりたいのか」「何をしたいのか」――お子さんと一緒にこうしたことをじっくり話し合う時間を作ってみてください。
よくある保護者の悩み
- 「志望校を聞いても答えがはっきりしない」
- 「夢や目標がないと言われる」
- 「成績を上げたいとは言うけど行動が伴わない」
こうした悩みは決して特別なことではありません。中学生はまだ将来が漠然としている時期ですし、親に素直に話せない場合もあります。
目標設定が大切な理由
「良い成績を取りたい」という気持ちはあっても、「なぜ?」がはっきりしていないと、勉強は続きません。
たとえば、
- 「高校でサッカーを続けたいから、この学校を目指したい」
- 「将来は理系に進みたいから、数学を伸ばしたい」
こうした具体的な目標が見えると、本人も「何をどのくらい頑張ればいいか」をイメージできます。
親子の会話例
・「どんなことに興味ある?」
・「将来やってみたいことはある?」
・「高校選びで大事にしたいのは何?」
最初は答えが出なくても大丈夫です。大切なのは「一緒に考える時間を取る」こと。
家庭でできるサポートの工夫
中学生は多感で、自分の意見をはっきり言いづらいこともあります。ときには親の言葉に反発したり、話し合いがうまく進まないかもしれません。
そんなときは無理に聞き出そうとせず、「こういう進路もあるみたいだね」「こんな学校はどう思う?」と軽い提案を投げかけるくらいでも良いと思います。
また、親の経験談を話すのも良いきっかけになります。たとえば、
- 「お母さんも中学のとき進路で迷ったよ」
- 「お父さんは高校選びでこう思ったんだ」
親の話を聞くことで、子どもが自分のことを考えるきっかけになります。
塾を探す前に大事なこと
成績アップのために塾や教材を検討するご家庭は多いです。それ自体はとても良いことです。ただ、どんなに良い環境を用意しても、本人の「なぜ勉強するのか」が見えていないと、成果は出にくいものです。
逆に、目的や目標がはっきりすれば、学習方法や塾の選び方も変わってきます。
親の期待と子どもの選択
もちろん、親として「こうなってほしい」という希望があるのは自然なことです。ただし、最終的にはお子さん自身が自分の進路や生き方を決めていくものです。
私自身も、親からは「公務員になってほしい」と言われていましたが、違う道を選びました。親の期待を裏切るようで申し訳なく思った時期もありましたが、今は自分で選んだ道を歩けてよかったと思っています。
お子さんの人生はお子さん自身のものです。親としては最後に「決めたことを応援する」姿勢が大切だと思います。
まとめ|まずは「話す時間」をつくろう
成績アップを目指す前に、お子さんと一緒に「なぜ勉強するのか」「どうなりたいのか」を話す時間をぜひ取ってみてください。
はっきりした答えがなくても構いません。大切なのは、親が子どもに寄り添い、一緒に考える姿勢を見せることです。
そうした時間が、お子さんのやる気や主体性を引き出し、結果的に成績アップにもつながっていくはずです。
保護者の皆さまの子育てを心から応援しています。