家庭教師が向いている子・向いていない子
学習指導会は1人の先生が4人まで(高校生を含む場合は3人まで)の指導形態になります。
ひとりに指導している間は、他の生徒には問題練習やミスした問題の解き直し・解説読みや単元テストを進めてもらいます。
お問合せの際、ときどき「1対1の付きっ切り指導じゃないんですね・・・」と、ガッカリされる方がいらっしゃいます。
家庭教師のスタイルをイメージされてのことだと思います。また、個別指導という言葉からも「個人レッスン」を想起するのかもしれません。
僕が今までたくさんの親御さん・生徒さんからお話を聞いてきての結論は、家庭教師の指導形態が全ての子にとって必ずしも「ベスト」ではないということです。
たとえば90分の指導を「つきっきり」で受けるとどうなるでしょう。
90分話を聞きっぱなしは、大半の子にとって集中力がもちません。
そういう子には「解説」「問題演習」を1度の授業で繰り返すことが必要です。
集中力の面でも、学習効率の面でもです。
先生から受けた「解説」をもとに、それでは本当に自分の力で解けるか。または用語を覚えきれたかの「アウトプット」の作業をその場でしなければ、学習内容の定着が図れません。
家庭教師のスタイルでうまくいくケースは、この「アウトプット」の作業を、家庭教師の授業の後で自分で確実にやれるかどうかにかかっています。
また、家庭教師の先生が来る日までに、質問したい箇所を徹底的に「マーク」しておき、90分のほとんどを解説受けに時間をかける(集中力があることが前提ですが)と、効率的ですぐに成果をあげることができます。
ただ、ここまでの「予習」「復習」ができる子は、相当しっかりした学習習慣をすでに持っている子ではないでしょうか。
家庭教師を利用する大半の方は、もっと勉強に苦戦している子だと思います。
授業時間中に「定着」のための時間をとり、スモールステップで解説を進めていった方が集中力が維持でき、成果につなげやすいです。
また、問題に行き詰ったときに家庭教師の先生にすぐに隣から「助け舟」を出してもらうことに慣れすぎると、「すぐに聞かないと問題をやり進められない子」になってしまわないか心配です。
低学力の子を1対1で指導すると、なおさら家庭教師の先生もすぐに「助け舟」を出したがるものです。
まとめますと、
・事前予習で質問箇所を決めておき、90分のほとんどを解説受けに使っても集中力が維持でき、さらに授業後に定着のための自己練習がきちんとできる子
・・・家庭教師むき
・90分の授業時間中に「問題演習」「解説」「定着のための追加練習」など、「聞く」「解く」「考える」を短い時間で交互に繰り返しながら、授業時間中にある程度の定着をはかるほうがよい子
・・・個別指導むき
と言えるのではないでしょうか。
教え込みだけでは成績は上がらない
家庭教師、個別指導、いずれも「わかりやすい授業」を受けるだけでは成果にはつなげられません。
必ず「定着のための自主練習」は授業時間外に必要になります。
せっかく教えてもらったものも、ほったらかしにしては記憶のかなたに飛んでいきます。
アウトプットが必要です。
とくに英単語や社会の用語暗記など、最終的には「暗記」が試されるシチュエーションが勉強にはつきものです。
同じテキスト・学校ワークを何度も何度も繰り返し解く。
そういう泥臭さ・量をこなす根気が子どもたちに必要です。
効率的な勉強法・わかりやすいテキストを探す前に、子どもたちにはまずしっかり時間をかけて繰り返し練習すことを大切にしてほしいです。
学習指導会では夏期講習会を実施しています。
通常授業に通っていない子が、夏期講習だけ受講することもできます。
締め切りは7月6日(土)なので、お早めにどうぞ!