「体験授業を受けて比較」は必修です。
ただ体験授業の申込前に、次の点をチェックしておきましょう。
まずはタイプ別に塾を把握する
1.競争心の中で切磋琢磨させる「大手塾」
もっとも一般的なタイプの塾です。
多くの方が持つ「塾のイメージ」は、この大手塾の集団指導型ではないでしょうか。
同じくらいの学力層でクラス分けし、授業中に当てたり皆の前で問題を解かせたり、成績貼り出しや成績順に座席を決めたりする塾もあります。
緊張感を演出しつつ生徒間で切磋琢磨・競争心も引き出しながらトップ校を目指していくクラス作りをしている塾がほとんどです。
わからない箇所の質問や欠席時の振替対応などができるかは、要チェックを。
欠席時に、映像授業などで補習をとらせてくれる塾もあります。
また、一定数の生徒が集まらないと開講されない学年・科目があったりします。
学年・科目・学力によって授業曜日と時間帯が決められていますから、部活の予定と合わないお子さんは両立が難しいようです。
2.地域で信頼される「個人塾」
大手塾がひしめく中でも生き残っている個人塾は、合格実績も評判も高いからこそ続いているはず。
大手塾よりも授業時間の融通がきいたり、補習授業など「先生の馬力」でテスト前にガッチリ授業を増やしてくれたり、熱心な先生が多いです。
一方で、「キャラクターが独特」「話し方がキツい」「押しが強い」など、クセのある塾長が多いようです。
やはり体験授業を通じて「子どもとの相性」や「保護者との信頼関係が築けるひとか」を見定める必要があります。
3.一人ひとりに合わせてくれる「個別指導塾」
一斉指導型で競争の中で授業をしていくのが苦手、という生徒さんは個別指導タイプの塾が合います。
1人の先生が巡回しながら、2~5人程度の生徒を担当する授業スタイルが多いです(対人数が少ない個別指導なら質問時間は長くとれますが、授業料は高くなります)。
家庭教師のような「1対1の個人レッスン」ではありませんのでご注意を。
多くの塾では「学力タイプ」「希望科目」「目標の志望校」「部活などの予定に合わせて」授業設定ができるオーダーメイドの授業になっています。
一斉指導では見落とされがちな、「わからないまま授業が進んでしまう」「質問しにくい」というのが無いのが最大のメリットです。
また、生徒の実際の答案をチェックしながら理解度を先生が把握してくれるので、必要な解説をピンポイントでもらえるのも魅力です。
デメリットとしては、一斉指導塾よりも授業料が高く、5科目すべてやりたい場合は結構な出費となる点です。
お子さんが周りと競争しながらガツガツやるタイプであれば「ちょっと物足りない」と感じるかもしれません。
4.とにかく安い「補習塾」
「個別指導」の看板をかかげる塾でも、上記の個別指導とは大きく違う「補習タイプ塾」。
その大きな違いは、「1人の先生が無制限の生徒さんを同時に担当するスタイル」ということです。
授業というよりも「子どもたちに自習をさせ、質問があれば回ってくるときに聞いてね(または先生の席に聞きにきてね)」という運用をします。
大手塾が実施する「質問応対をするチューターの先生を1人配置した自習席」に似ています。
このスタイルでどこまで成績が伸びるかは、お子さんの特性にかなり左右されます。
場所さえあれば自学自習でどんどん進められ、部分的に質問がしたいときだけ聞けるスタイルを求める生徒さんにはぴったりハマると思います。
授業料は圧倒的に安く振替授業もし放題だったり、通塾回数が自由(通い放題)だったりする塾もあります。
一方で、「しっかり指導を受けたい」「自発的に先生に質問するのが難しい」という生徒さんには効果が薄いようです。
また、教室によっては先生の目が行き届かないためにうるさくなったり、質問したいのに先生がなかなか回ってこなかったりする場合もあります。
5.通塾不要の「家庭教師」
塾とは違いますが、家庭教師も選択肢の一つです。
家の近くに塾が無かったり、送迎が不可だったりのご家庭であれば、通塾不要の家庭教師は魅力的です。
事前に問題をやっておき、質問したいところを選んでおけば、塾とは違い自分ひとりのために授業時間すべてを「質問」に使うことができます。
ただし、塾よりも授業料が高く、先生の当たりはずれが非常に大きいです。
学生アルバイトの派遣が多いようですが、学生は「先生の都合で振替」や「年度の途中で交代」もよくあることです。
社会人講師の家庭教師の場合はケタ違いの授業料となります。
先生の交通費も別途必要なところが多いです。
注意したいのはお子さんが「依頼心が働き、となりに先生がいないと解けない」とならないよう、先生が距離感をしっかりとってくれるかどうかです。
部屋で勉強している状況は塾と違い「第三者」はいませんので、どのような指導をしているかチェックが働きません。
このようなデメリットを回避するために、最近では「家庭教師の個別教室」もあります。
いずれにしても、信頼と実績のある先生を選びたいところです。
事前にウェブサイトで学習システムと費用をチェック
体験授業申し込みの際の面談で「システム」「費用」などすべてを聞こうとすると、面談時間が大変長くなり、大切な内容を聞きそびれたり忘れてしまったりします。
なので、申し込みの前には、ウェブサイトでその塾(家庭教師)の学習システムをチェックしましょう。
学習指導会ではすべて費用を公開していますが、大半の塾のウェブサイトでは「費用はお問合せください」のような書き方をしています。
電話で「ざっくりでもいいので諸費用を聞きたい」を確認するといいです。