どの中学に進むかによって高校入試の有利・不利が出る

学校選択制の岩見沢市

多くの地域では住んでいる場所によって小学から進学する中学校が指定されています。

一方、岩見沢市では中学校を生徒自身が選ぶことができます。

ほとんどの子は「通いやすさ」から最寄りの中学校を選択しますが、なかには「入りたい部活がある」などの理由で少し離れた中学へ進む子もいます。

ただ勉強面で、とりわけ高校入試のことを考えて中学校選びをしている生徒・保護者はどれだけいるでしょうか。

令和5年現在、光陵中は「定期テストは5科目のみ」、清園中は「定期テストは実施せず、単元テストで成績を付ける」となっています。

中学校の学校間格差

中学校によって学力に差があります。

これはわりと多くの保護者さんとお話ししていても、岩見沢でも広く知られているようです。

学校名は伏せつつ、具体例を示します。

現中3生の例でいくと・・・

学力ABCテスト(300点満点・全道で同じテスト問題)の平均

X中学:約150点

Y中学:約125点

300点満点でおよそ1割の違いが出ています。

それでは定期テストの難易度はどうでしょうか?

当然、X中学よりY中学の方が簡単です。

成績のつけられ方はどうでしょうか?

例えば、2人の生徒を比較してみます。

学力ABC平均点と内申ランクは以下の通りです。

X中学に通うxさん・・・学力ABC平均点:約140点/Fランク

Y中学に通うyさん・・・学力ABC平均点:約100点/Eランク

学校が違いますし、同じ先生が評価しているわけではありませんから差がでるのは当然です。

それにしても、学力が上の子のほうが内申ランクで逆転されてしまうのは何とも理不尽な気がします。(ちなみに2人の5科目以外の評価はほぼ同じ)

中学によって高校入試に「有利」「不利」がある

ここからわかることは、中学校によって

・学校間に学力差がある

・学力の高い学校は評価が厳しめにつけられる

(学力の低い学校は評価が甘くつけられる)

ことです。

例示したのは2名だけですが、各教室の生徒の成績推移を比較すると全体として上記のような傾向がはっきりと出ています。

この学校間格差の傾向は、わたしが岩見沢で塾を開いてから(10年以上)ずっと続いています。

成績(内申ランク)が高校入試のおよそ半分(推薦の場合はほぼ全て)の合否基準になることを考えると、どの中学に進むかによって「有利」「不利」が出るといえます。

決して中学校を批判しているのではありません。

大切なのは、「生徒・保護者がこういった情報を持つべき」ということです。

そのうえで小学生のお子さんをもつ親御さんは、どの中学校を選ぶかを考える材料にしていただきたいのです。

もちろん、高校入試に有利・不利だけで学校を選ぶのも考えものです。

「成績の高い子が集まる中学校」でガツガツ勉強でき力を伸ばすタイプの子もいれば、「成績の低い子が集まる中学校」でじっくり実力を伸ばしたいタイプの子もいます。

お子さんの適正をみつつ、どの学校・どんな環境だと「わが子の力を伸ばせるか」慎重に判断していただきたいです。

情報の開示を

成績上位に強い中学と、一方で下位に強い中学があってもよいはずです。

中学校別の学力テスト結果や進学実績などを情報開示し、生徒・保護者に選択のための材料を提供できないものなのでしょうか。

クラスの生徒がある程度の成績で固まっている方が、一斉指導タイプの授業では効率的に学力を伸ばすことができるのは確実です。

そうなると、中学校間で「学力による序列化」ができてしまいます。

しかしそれでよいのではないでしょうか。

(私たちの社会が「序列」を偏見の目で見なければですが)

わが子の特性によって、中学校を選択する。

でも現実は、全員が遠くの中学まで通学できるわけではありませんから、「序列」もそれほど極端なものにはならない気がします。

例示したxさんとyさんのケースを考えると、本当の意味で「公平な高校入試」を学校・保護者・社会全体で作り上げていくべきだと切に願うわけであります。

以上、中学選びの参考にしていただければ幸いです。

(再掲載)現中1から入試制度が変わります

高校入試における「内申点(315点満点)と入試点(300点満点)」との比重がどれくらいになるかはまだ未定ですが、

・英数国の裁量問題は廃止(全道の高校はすべて共通問題)

・1科目60点満点(45分)→100点満点(50分)

の変更は決まっているようです。

新たな情報が入り次第、こちらのサイトでもお知らせいたします。

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