学校裁量とは?【北海道公立高校】

学校裁量というのは、高校ごとに「入試当日点を重視した選抜」と「内申点を重視した選抜」をそれぞれ一般受験枠の15%ずつに振り分け選抜する入試制度です。

残り70%は従来通り「当日点+内申点」の合計で選抜となります。

内申点ってどうやって計算するの?って方はこちらをご覧ください。

どれくらい「当日点(または内申点)」を有利にするかは、高校ごとに決められますし年度によって変更になります。(たまにですが)

例)令和6年度の学校裁量一覧は >こちら

「学力:評定」が「9:1」の場合、「入試当日点9割」に対して「内申点1割」の比率で得点を出し、上位から選抜していくという意味です。

たとえば

  • Aくん:当日点300点・内申点220点
  • Bくん:当日点320点・内申点190点

だとすると、従来の入試では単純足し算で

  • Aくん:300+220=520
  • Bくん:320+190=510

となり、Aくんが有利です。

まずはこの計算方法で、一般受験生の定員70%に対して上位から合格者を決めます。

(厳密には、当日点と内申点のマトリックスを使って学校独自に線引きし合格者を決めるのですが、ここでは省略します)

しかし、学校裁量では

  • Aくん:300×9+220×1=2920
  • Bくん:320×9+190×1=3070

となり、Bくんが逆転します。

70%の合格者を決めた後、一般受験の定員15%に対してこの計算方法で上位から合格者を決めます。

当然、当日点が高い生徒さんは有利です。

さらに、学校裁量では「内申点が優秀な生徒さん」にも有利な選抜方法が残されています。

「評定:学力」が「6:4」とあれば、例えば

  • Bくん:当日点290点・内申点190点(単純合計で480点)
  • Cくん:当日点265点・内申点210点(単純合計で475点)

の場合、

  • Bくん:290×4+190×6=2300
  • Cくん:265×4+210×6=2320

となり、単純合計ではBくんが上位でしたが、学校裁量(内申重視)によりCくんが上位となります。

この計算方法で定員の残り15%を選抜します。

つまり、「どうしても美術や音楽が苦手で内申点が低かった」という生徒さんは当日に高得点を狙って合格もできますし、「コツコツ内申点アップをがんばってきた」という生徒さんは、当日多少失敗してしまっても、合格の可能性が十分残されているということになります。

ただし、あくまで学校裁量は「当日点重視15%枠」「内申点重視15%枠」ですから、狭き門。

当然ですが、中学校の勉強は「9科目すべてで、めいっぱい成績アップを目指す」ことが入試に有利であることに変わりありません。

最初から「当日点重視を狙って、学校の内申点なんか無視しよう」という考えではいけません。

中3生はもちろんですが中1生、中2生も、志望校合格につながる「内申点アップ」。

毎回の定期テストで自己ベストを狙っていくことが大切です。

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