泳ぎができるようになるには「泳げるようになりたい」という欲求が必要です。
泳ぎの上手な人を見て「自分もあんな風に泳ぎたい」と思う子もいれば、中には「体育の時間で水泳があったので、なんとなく泳げるようになった」「泳げないと格好悪いから」「溺れたくないから必死に練習した」という子もいるかもしれません。
いずれにしても大切なのは、「こうしたい」という本人の主体的な気持ちです。
勉強も同じではないでしょうか。
まずは「こうなりたい」という主体的な気持ちがなければ、成果を上げることができません。
一番困ってしまうのは、勉強する本人に「どうしたい」「どうなりたい」という欲求がない場合です。
もちろん興味の持つ対象は人それぞれ、勉強そのものに興味を持てる子は一部かもしれません。
それでも、「できるようになる楽しさ」「力が伸びていくことの喜び」は勉強の中から感じることができるはずです。
学びたい欲求を失っている子は、勉強における過去の成功体験が少ない子です。
あるいは、周りの大人たち(親・先生・兄弟)に無理強いや悪い評価を下されて、承認欲求を満たせなかった子ではないでしょうか。
勉強をしても良い思いをしない・・・これでは机から遠ざかるのも当然です。
お問合せ時の面談で生徒の話を聞くと、まれに自分の成績状況を他人事のように考えている(ように見える)子がいます。
親御さんは張り切って入塾させるつもりでも、本人に「欲求」が無ければどんな塾に入っても成果は上げられません。
本人に「成績を上げたい」「得点を伸ばしたい」「できないところをできるようにしたい」という欲求さえあれば、こちらから勉強方法を伝え継続的に評価(正しく褒める)してあげることで、次のやる気を伸ばすことができます。
親御さんが本人の意思を確認せず「塾に通わせる」とか、志望校やテストの目標点を勝手に決めてしまうとか、文具をすべて親が決めて用意してあげる等は避けるべきです。
本人から勉強に対して主体性を奪うことにつながりかねません。
ときにはテストで痛い目を見るのも一つの方法です。
それで本人が「どうしたいか」の欲求がわいてくるなら、失敗も糧になります。
定期テストの日が近づいてきました。
得点が伸び悩んでいる子へは、まず「本人がどうしたいのか」を食事中などリラックスした環境で聞いてみてはどうでしょうか。