うちの子はとにかく勉強しない、その原因は?
勉強しない子の原因と対策
①勉強の必要性を感じない
1.なぜ勉強しなければいけないのか
子どもが勉強しなければいけない理由、元も子もない話ですが、それこそ「人それぞれ」ですし、理由は一つではありません。
「論理的に考える力を身につけるため」「自力で問題解決できる力を身につけるため」「できるだけ偏差値の高い高校や大学、自分の目標とする職業に就くため」「自主自立して生活できる能力を身につけるため」「身の回りのあらゆることを学び、過去を学び未来を予想することで、人生を豊かにし社会に役立つ人間になるため」、他にもさまざまな「理由」が考えられます。
どれも正解です。そして正解は1つではありませんし、子どもにとっての正解はさまざま。まさに、ひとそれぞれです。
どんなアドバイスが我が子に「効く」のか。親や周りの大人が子どもに一方的に「勉強しなければならない理由」を授けるものではありません。ただ、一緒に考えたり1つのアイデアとして提案しながら、最終的にお子さん自身が「勉強する意義」を見つけられることが大切です。
2.勉強ができるとどんなメリットがあるか
岩見沢指導会は学習塾ですから、塾に来ている子はすでに「勉強の必要性」や「成績を上げる動機付け」がされた状態で(個人差はありますが)入会していただいています。ではそれ以前に、ご家庭ではその動機付けをどう進めればいいのでしょうか。
勉強できるとどんなメリットがあるか、それが子どもに理解できれば勉強の必要性を感じてもらえそうです。
これも親や大人が一方的に「こうである」と答えを授けるのではなく、まずは「勉強できるとどんなイイコトがあると思う?」と本人に聞くことで、お子さん自身が考えることが大切です。お子さんから返ってくる答えがイマイチでも、多少でも「勉強のメリット」を感じられるものであれば「その通りだね!それだけでも勉強する価値があると思うよ」と乗ってあげるのがいいと思います。それに加えて親御さんの考えるメリットも後乗せし、本人が納得できるのが理想です。
コミュニケーションをしっかりとりつつ、「勉強のメリット」を親子で共有しましょう。
3.勉強しないとどんなデメリットがあるか
本来は「勉強しないデメリット」のようなネガティブなことを考えさせて、恐怖心をあおるようなことはしたくないのですが、それでも現実を知っておくことはある程度成長した子どもにとって必要なことです。
勉強しないのは考えることの放棄です。覚えられないから、面倒だから、ゲームやスマホの方が楽しいから、と安易に「手軽で楽いこと」に流されていては成長につながりません。そんなことばかりしていて「生きていくこと」は不可能です。
だからといって、親御さんが一方的に「ゲームやスマホは禁止!勉強しなさい!」と言ったところで、思う通りにはいきません。まずはお子さんにイメージしてもらうことからです。ここでも一方的に話すのではなく「どう思う?」と考えさえることが必要になります。
「勉強しないとどうなる?今のままの成績だとこの先どうなると思う?」聞かれて、ようやく考え始める子がいます。そんなのわかっているよ!とその場では反発されても、あとになって本人がふと「そうだな、今のままじゃいけないか」と思い返すこともあります。
お子さん自身が考えるきっかけやタイミングを、つねに模索しましょう。
4.勉強のやり方がわからない
・できるまで繰り返し練習
・暗記できるまで書き取り練習
・暗記できたかの自己確認
・解説や例題を熟読すること
など基本的な「やり方」を案外「知らない」ことで単に「教科書を読むだけ」「ノートをまとめるだけ」のような「インプット」作業に時間をかけすぎ「やっているのに結果が出ない」とめげている子もいます。
大人が「これくらいやってあたりまえ」という勉強法も「なぜそれが効果的なのか」も含めて伝える必要があります。
一方で「勉強のやり方がわからない」=「もっと手っ取り早く楽で短時間に成果が出る方法を知りたい」という子もいます。最近はyou tubeなどで何でも手軽に知識を得られると考える子も多いようです。
しかし、動画視聴など「わかったつもり」で終始し、実は深い理解や定着につながっていないケースが多いです。「紙に書いて問題を解く」ことが、記憶に残るよう知識を習得するのにちょうどいいペースである、という研究結果があります。
結局「学問に王道なし」です。泥臭く「質」よりまずは「量」をこなし、そこから見えてくる「自分の最適解(自分に合う学習法)」を選択していくのがよいです。そのうえで、時間をかけても成果につながらないようなら、やり方の見直しをしましょう。「量」をこなし「質」を考える、この手順です。多少遠回りしても、「あぁ、このやり方の方が自分に合っているな!」と感じられれば、納得解となり勉強のテンポもアップします。時間当たりの成果にもつながり、達成感を得られます。親御さんからのアドバイスが難しい場合は、個別指導塾や家庭教師を利用するのも1つの選択肢です。
5.勉強以外に目標がある
勉強ができることこそ人生のすべて、というわけではありません。また、得意分野や趣味嗜好は個人差があるのは当然です。
もし、お子さんが勉強以外に強い興味をもち、そちらを優先させて身を立てたいと考えているのなら、そちらを優先させるのも(難しい判断ですが)必要かもしれません。スポーツ、音楽、絵、ゲームなど、今ではそれを職業にできる時代です。ただし、いつでも軌道修正・目標変更はできますし、その決断は恥ずかしいことではありません。そのときのために「勉強は最低限」やっておくことであらゆる選択肢は残しておきたいところです。
もし覚悟を決めて勉強以外の道に進むのなら、その道で「生活していけるのか」も考えてもらう必要があります。「やりたいことだけやっていく人生」はありえません。生活を親に頼って、自分だけやりたいことをやっていくなど認めるわけにはいきません。
親御さんにとって一番の教育は「我が子が自立して生きていけること」です(障がいのある子など事情があれば別です)。勉強よりも大切な「自立心」を損なうような甘えの選択はさせてはいけません。
②勉強の必要性を感じるが行動できない
1.時間が無い
部活で忙しいといって勉強時間が取れない子もいます。
その場合は一日の予定を振り返って、「なにをやらないか」を決める必要があります。
他に習い事をやっているなら整理したり、ゲームやスマホに時間をとられているならその時間を制限したり、ご本人と一緒に考えてみるといいです。
重要なのは、しっかり紙などに「1日のタイムスケジュール」を書き出し、貼っておくことです。定着できるまで決められた時間に行動をとるよう見える場所に掲示し、1週間後にまた振り返ります。必要な修正などをし、また続けていきます。
継続こそ力です。計画倒れにならないこと、また親が一方的に決めてしまわないこと。「自分が決めたことだから、きちんと守ろう」と励ましつつ見守りましょう。
2.疲れてできない
勉強も時間を決めておかないと集中力が維持できません。部活など日々疲れているようでしたら、勉強は短い時間にならざるをえません。
その場合も、できる限り「短くても毎日すること」が重要です。子どもの将来は、習慣の積み上げで決まります。
無理のない時間に、開始時刻を決めて習慣化することから始めましょう。
3.勉強を後まわしにしてしまう
勉強を後まわしにしてします原因は何でしょう?これこそご本人に確認し、本音を引き出したいところです。
結局「やるのは本人」ですから、勉強を必要を感じない限りは行動をとれないのは当然です。その気持ちを理解しつつ、なぜ勉強が必要なのか・そのメリットやデメリットを本人がどう考えているかを聞き出しながら、それを踏まえた親御さんの考えを提示してはどうでしょうか。
思った返事が返ってこなくても、少しでも前向きな要素があればその点を拡張させるようなアドバイスができれば行動を改善させるきっかけになります。
4.とにかく勉強は面倒
勉強を苦役と考えてしまうのは、小学校から苦手意識があるためです。考えることが好き・勉強が好きな子は「勉強が負担」とは考えません。ただ、全員の子どもが最初からそのような特性をもっているわけでもありません。
苦手科目にフォーカスするよりも、まずは得意科目を伸ばすことで「この科目だけは負けないぞ」という気持ちを育てていくのはどうでしょうか。努力が成果につながり成長を実感できることで、他の科目への前向きな行動につながる可能性があります。
親御さんには、良い点を評価し一緒になって成長を喜ぶ「伴走者」であってほしいです。
5.完璧を求めすぎてしまう
「きちんとやっているのに満点が取れない」「家ではできているのにテストで得点できない」など、「自分はこうでありたい」と「実際の今の自分」にギャップがあってフラストレーションを抱えてしまう子もいます。
理想が高いのはすばらしいことですし、向上心は成長の糧になります。目標を高くもち今抱えている課題にしっかり取り組めているお子さんを、まずは親御さんが評価してあげてください。課題が見えているなら、行動できている限り結果はあとで勝手についてきます。「努力を続けられて立派だね!大丈夫!無理しすぎて体を壊さないようにね。」と、ねぎらう声掛けも必要だと思います。
6.結果に対するプレッシャーを感じる
親御さんが目標を設定したり、親主導でテストの目標点を決め、結果のみをみて「良かった」「悪かった」と評価してはいないでしょうか?
得点や成績は常に「右肩上がり」とはいきません。ジグザグしながらも、上向きトレンドになっていることが大切です。そしてもっと重要なのは、お子さん自身が自分の努力が成果につながっている、達成感や成長の手ごたえを持てているかどうかです。
結果だけに言及するのではなく、日ごろの努力について評価し一緒になって喜んだり悔しがったりするのが良いと思います。心の底からそう願って「同じ気持ちでいる」大人がすぐそばにいると、今より落ち着いて目標に向かった努力が続けられるのではないでしょうか。
7.クラスの雰囲気や友人の影響を受けやすい
周りが勉強に白けていると、どうしても影響を受けやすいものです。最近ではスマホを使ってSNSでコミュニケーションを四六時中とっていないと仲間外れにあうという恐怖心をもっている子もいるようです。
自分の目標を後回しにしてまで周りに合わせる必要があるのか、社会範囲の狭い小・中学生にとっては難しい課題ですが、ご家庭でじっくり話し合っていただきたいです。
③勉強を続けることができない
1.目標が決まっていない
何のための勉強なのかが見えていないまま、努力を続けるというのは誰だってしんどいですよね。ゴールの見えないマラソンは苦役にしかなりません。
将来の目標とまでいかなくても、もっと近い目標たとえば定期テストで「前回よりも合計20点アップ」「学年順位10位アップ」など、これくらいならできるかな?と思える目標を作ってやってみたら?などとアドバイスするのはどうでしょうか。
自分の努力によって、実力が伸びているという手ごたえを感じられればやりがいを感じられるはずです。
2.できることの楽しさが得られない
小さな成功体験を小学校からコツコツ積み上げてきた子は、勉強に前向きになり「わかることが楽しい」と感じられます。一方でそれがおろそかなまま中学生になると、勉強以外のことにばかり興味が強くひっぱられ、勉強から遠のいてしまいがちです。
とはいえ、高校進学するのなら勉強から逃げ続けるわけにもいきません。
苦手科目が多い場合、そにフォーカスするのではなく、いっそのこと好きな教科1科にしぼって徹底的に勉強してみる、というのもいいかもしれません。それをきっかけに、他の科目への行動も前向きになる子もいます。
3.成長の手ごたえを感じない
自分の努力がしっかり成果につながっていることが、ご本人に数字で見えることが大切です。それによって定量的に「あぁ、これだけ努力すると変わるんだな」と理解できるはずです。
親御さんはご本人のテストや成績などを見て、良かったときは「夜遅くまでがんばってきた成果がでたね」「塾の宿題を続けてきた甲斐があったね」など、結果だけではなく行動と合わせて評価し喜んでもらいたいです。